No.3:「津波防災に配慮した新住宅建設」提言

                   20111215日 山本 出・石原 幸正

1.この課題を取り上げた理由とねらい
10メートルの高さの堤防でも防げず、建物の4~5階に及ぶ希な津波による被害を防ぐ再建プランをどうするのか。防災上「高台移転」、「高台避難」は誰しも考えるが、過去の津波の戦訓は、人は「職住分離」に耐えかね、いつしか「職住接近」、「低地移転」し、再度被害にあっていることである。土木工学的には高台での新しい町の建設を計画するであろうが、その発想は日本中の沿岸部の町をすべて高台に上げろというに等しい。そうでなく、人を中心に、歴史、文化を担う地域社会を維持発展させ、低地でも安全に住め、生きがいのある生活が可能、という答えを出さねばならない。被害者を想えば事は急を要し、行政的措置を早急に講ぜず、個々の再建努力が進行した後では実施困難となろう。

2.プロジェクト メンバー
山内尚隆、竹内啓介、原 真一、石川演慶、本間敬之、石原幸正、遠藤正昭、藤田慶喜、
山本 出(リーダー)

3.提言の概要
A)  A案:海浜地区に防災、居住、避難等を含めた多目的高層ビル街建設、骨子は4~5階まで盲窓にした海岸線に直角に配した舟型ビルである。
B)  B案:高層ビル上層部を居住、避難、診療、行政、教育などに充て、1,2階を商店街とし、町の賑わいを維持する。巨大波による1,2階の被害は甘受するが、避難再建は容易である。
C)  A,B案に対し、住民ははたして高層ビルに入居するであろうか、町の賑わい、伝統的生活様式は守られるだろうかといった批判がある。 本案は、これまで通りの町の再建を目指すが、各戸にハッチを設けた防水地下室(重要品、水、食料、酸素ボンベを備える)を義務ずけ、津波が何回か往復する間、そこに潜むというものである。家は壊れても、人命は助かる。壊れた家々はブルドーザーで片づけ、救助隊は住居地図を手掛かりにハッチ内住民を助ければよい。似た例;米国竜巻地帯では各戸に避難地下室を設け、イスラエルでは各戸に防毒室、北部では防爆室を必置している。

4.今後の進め方
本提言の骨子は既にハートの会誌66号で発表済みで、政府、被災県知事、建築会社、関係各方面などにも既に提示している。一部より批判、意見、要望などもあり、それらに対応する提言としている。
当面の所、その後の進展は見られないが、事態の推移に従って対応することにしている。
平成243月、東日本大震災後一周年までには、下記の観点から、新たに論文を纏め発表することにしている。
  地域再生の主体
     高台移転の問題
 低地居住、地域社会の維持、職住接近、安全の問題をどう解くか。 

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